第290話 意外と役に立つ社会の話⑤経済成長期の終焉
新宿から歴史を発信!!!むかちんです(≧▽≦)
意外と役に立つ?(立っていればいいですが(笑))社会の話も
いよいよ佳境です。
昨日は高度経済成長とそれに伴う企業の仕組みについて話をしました😄
高度経済成長で経済的に順調に発展を遂げた日本ですが、
1973年の石油危機で、その終焉を迎えることになります。
イスラエルを支援する国々への石油輸出をOAPEC(アラブ石油輸出国機構)が止めたのです。
原油の輸入価格は4倍に跳ね上がり、日本の国際収支は赤字になります。
これによって日本企業は石油製品に依拠するのを極力やめ
省エネ、省資源でできるマイクロエレクトロニクス技術を活用する方向えへ転換していきます。
これにより紙を使わずに、またコストカットのために工場の自動化や事務のOA化が進んでいくのです。
但し、この石油危機は高度経済成長の終焉にいわばとどめをさしたきっかけにすぎなかったという見方もできます。
なぜなら、
①経済が豊かになって、労働者一人あたりの賃金が上昇したことで物価が上昇した
②国際通貨制度が1971年のニクソンショックによって、ブレトンウッズ体制が動揺、
円の切り上げが行われたため、輸出関連企業を中心に円高不況感が巻き起こる
(輸出は円高のほう不利→どっかで解説できたらします(笑))
③経済成長のために猪突猛進してきたが、その一方で公害問題が起こり、
経済成長だけという見方からの見直し
これらの要因が大きく作用したことも否定できません。
②のニクソンショックは世界的にも大きな出来事でした。
世界で最も信用ある通貨として君臨したドルの背景には金と兌換できることがあったのですが、
金の保有量の著しい低下などにより、その価値の維持が難しくなったのです。
それまで1ドル=360円という固定相場が当たり前だった金本位制度から
固定相場の維持を目指したものの、1973年には変動相場制へと移行していきます。
1980年代に入ると対米輸出が急増したことにより、
日本は、世界最大の貿易黒字国でありながら、技術革新によって、国際競争力を高め
欧米諸国との貿易摩擦が深刻化していきます。
こうした潮目に登場したのが
サッチャーのイギリスでは深刻な財政難に陥っていました。
サッチャーはケインズ主義的な政府が介入して行う経済を社会主義的と批判し
資本主義にあるべき市場原理での自由競争である「小さな政府」を志向します。
これを新自由主義と呼びます。
https://www.japanjournals.com/feature/great-britons/3910-margaret-thatcher-44415757.html
サッチャーを皮切りに世界的な潮流となって、
米国のレーガン政権でも規制緩和、民営化、大幅な法人減税が行われ
これはレーガノミクスとよばれました。
しかし、レーガンは軍事力の増強を企図したため、財政赤字となり、
アメリカは高金利政策を取ったので、ドル高となって、貿易赤字にも陥り
双子の赤字という事態に陥りました。
そこで、G5で交わされたのが「プラザ合意」で、
ドル危機が起こることを恐れた先進各国によるドルへの協調介入が行われ、
ドル安へと誘導されていきます。
この直後の日本は輸出産業に依存していたことがあり、
深刻な不況に悩まされることになるのですが
日銀が低金利政策をとったことによって、日本では金余りが発生します。
この余った金が向かった先が不動産投資で、
これがその実力以上に高騰していくことにより、
これによって起こったのが「バブル景気」です。
ご存知のとおり、
バブルによって一時日本は空前の好景気に入っていくのですが
90年代に入って株価が急激に下がり、結果として崩壊、
このダメージは日本を「失われた20年」へと向かわせるのです。
次回は転換期となった構造改革に迫ります。
See you again!!
ジョニー・ジョニー・デッパー